タイトルは『大学の教務Q&A』とあるが、「はじめに」に書かれているように、教務部門の職員だけでなく、広く大学教職員が読者として想定されている。全体は三部構成となっている。
第一部の「大学教務のための7つの指針」では、教務の仕事において重要と見なされる以下の指針が説明と共に示される。第二部の「Q&A形式で学ぶ大学教務」は、この7つの指針に基づいて提示されている。
1.教務は担当者の裁量が大きいことを理解する
2.関連法規を理解して適切に判断する
3.教育の論理を常に重要視する
4.学生の多様性を尊重する
5.社会常識に照らして検討する
6.他の構成員と連携を進める
7.力量を高める機会をつくる
Q&Aの内容は、「入学」「学籍」「履修」「カリキュラム・授業」「教員」「単位認定」「卒業・修了」「学位」「教員免許・資格」「学生支援」「留学生」「障害学生」「証明書」「大学連携」「個人情報」「大学論」の16のカテゴリーに分類されている。通読するというよりも手元に置き、必要に応じ目次を参照し当該事例の手掛かりを得るという使い方が適している(単に、業務を滞りなく遂行するためのガイドではなく、学生のよりよい学びを支援する中で職能を高めていきたい人向け)。各項目で提示される回答は、現在の法令や制度(の限界)に基づいた、生きた実例として示されている(なので、読者対象として高等教育政策の関係者も想定されている)。また、ところどころに挿入されている「コラム」は、現状への問題提起となっており考えさせられる。
第三部の「大学教務のための資料」には、教務関連の年間スケジュール(国立大)、大学教育関連主要法令、主な審議会答申、教務の基礎用語などが含まれている(教育関連法令の読み方まで解説されており親切かつ丁寧)。高等教育の動向の情報源として列挙されている雑誌・ウェブサイトは網羅的で、参考文献一覧もSD関連の情報を得るための手掛かりとして有益である。
そういうわけで、大学生(大学院生を含む)の学びをより広い視野で検討・支援していきたいと考える大学教職員に本書を強くお勧めしたい。
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大学の教務Q&A (高等教育シリーズ) (高等教育シリーズ 157) 単行本(ソフトカバー) – 2012/3/19
大学教育を支える教務の業務を遂行するうえで知っておきたい実践的知識を
Q&A形式で学ぶ。経験豊富な職員らが、入学・学籍・履修などカテゴリー別
に、現場で蓄積してきた知識や具体的な対応策を回答。どのように業務を進め、
改善できるのか、大学教育に携わる教職員に役に立つ指針が示されている。短
大、高専にも好適。
Q&A形式で学ぶ。経験豊富な職員らが、入学・学籍・履修などカテゴリー別
に、現場で蓄積してきた知識や具体的な対応策を回答。どのように業務を進め、
改善できるのか、大学教育に携わる教職員に役に立つ指針が示されている。短
大、高専にも好適。
- 本の長さ184ページ
- 言語日本語
- 出版社玉川大学出版部
- 発売日2012/3/19
- 寸法15 x 1.2 x 21 cm
- ISBN-104472404567
- ISBN-13978-4472404566
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登録情報
- 出版社 : 玉川大学出版部 (2012/3/19)
- 発売日 : 2012/3/19
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 184ページ
- ISBN-10 : 4472404567
- ISBN-13 : 978-4472404566
- 寸法 : 15 x 1.2 x 21 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 217,282位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 641位高等教育 (本)
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- - 6,337位教育学一般関連書籍
- カスタマーレビュー:
著者について
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愛媛大学 教育・学生支援機構 教授
1970年三重県松阪市に生まれ、1992年東京大学教育学部卒業、1997年名古屋大学大学院国際開発研究科修士課程修了、 1998年同大学院博士課程中途退学、1998年名古屋大学高等教育研究センター助手、2000年同センター講師、2003年同センター助教授、2007年同センター准教授を経て2015年より現職。大学教育学会理事および日本高等教育開発協会理事。専攻分野は、高等教育論、人材育成論。
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トップレビュー
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2014年1月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
大学職員だけでなく、教員にとっても、大学教務がどのようなものなのか、知っているようで知らないことを整理するのに役立ちます。
事例ごとになっているので、必要なところをすぐに探し出せるところも使いやすいと思いました。
教務をよく知らないことで、学生の一生に関わる過ちを犯してしまうこともありますので、大学教職員は一度は読むべきと思います。
事例ごとになっているので、必要なところをすぐに探し出せるところも使いやすいと思いました。
教務をよく知らないことで、学生の一生に関わる過ちを犯してしまうこともありますので、大学教職員は一度は読むべきと思います。
2014年1月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
普段あまり気にしていないこともあり、勉強になりました。
ただ、新学部設立時に役に立つような情報が多かったと感じました。
ただ、新学部設立時に役に立つような情報が多かったと感じました。
2013年9月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
大学の教務委員会で、会議において十分に活用させていただいています。
2020年11月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
メールでは3冊同時郵送されていることですが、この1冊だけ入っていませんでした。
早急に郵送お願いいたします。
早急に郵送お願いいたします。
2013年9月19日に日本でレビュー済み
タイトルは「教務Q&A」となっていますが、教務に特化した内容ではなく、
入試から就職に至るまで、大学教職員として知っておくべき事項をまとめて
くれています。Q&A方式ですし、簡潔にまとめてあって有意義な本です。
もちろん教務担当の若手職員から中堅・ベテラン職員まで、広く大学の
仕組みについて知ることのできる書籍です。
入門書としては最適だと思います。
入試から就職に至るまで、大学教職員として知っておくべき事項をまとめて
くれています。Q&A方式ですし、簡潔にまとめてあって有意義な本です。
もちろん教務担当の若手職員から中堅・ベテラン職員まで、広く大学の
仕組みについて知ることのできる書籍です。
入門書としては最適だと思います。